コロナ対策には室内の「換気」が有効!
日本政府の基本方針
突如発生した新型コロナウイルス…。その猛威は世界中を混乱と不安に陥れています。
各国の対応に注目が集まる中、政府が発表した基本方針。その中の「3つの密を避ける」の第1が部屋の換気です。
https://youtu.be/lCmxXTKMlzM
集団による感染のリスクを下げるため、いわゆる3つの条件をできるだけ避ける行動を改めてお願いいたします。第1に、換気の悪い密閉空間。第2に、人が密集している場所。そして第3に、近距離での密接な会話。密閉、密集、密接。この3つの密を避ける行動をお願いします。
公共の場所で例えば電車の窓が開けられているなど、換気に対する意識は急激に高まってきています。
今回はその中でもいちばん身近な”ご自宅での換気”について考えていきたいと思います。
推奨される換気とは
下記は2020年3月23日に公益社団法人「空気調和・衛星工学会」の田辺会長および一般社団法人「日本建築学会」の竹脇会長が行ったコロナウイルス感染症抑制における「換気」に関しての談話の一部です。
1. 換気を励⾏する:窓のある環境では、可能であれば 2 ⽅向の窓を同時に開け、換気を励⾏します。ただ、どの程度の換気が⼗分であるかの確⽴したエビデンス(※1)はまだ⼗分にありません。
2. エビデンスと言っても部屋の広さや室内の人数などの条件が様々ですし、また推奨されてはいますが2方向の窓がない場合も多いのではないでしょうか。
3. それよりも、この談話の中で特に気になった点はそもそも換気について「誤解がある」という指摘です!
4. よく間違えられるのが、換気回数という用語です。「換気回数 2回/時」は1時間に2度窓を開けることと誤解されていることがあります。換気回数とは1時間に部屋に入る外気量(立米)を室容積(立米)で割ったものです。換気回数は室内の空気の入れ替わりのスピードを表す指標です。つまり換気回数が大きいほど、汚れた室内の空気を外気で希釈し、速く入れ替えることができます。
5. つまり換気回数 2 回/時は「1時間に部屋全体の空気を2回入れ替える」という意味なのです!
でも実際には、窓を開けていても部屋の空気が何回入れ替わったかなど、分かりません…。
6. そして、同じ談話の中では「エアコン」と「空気清浄機」についても次のように話されています。
7. 通常の家庭⽤エアコンやパッケージエアコンは空気を循環させるだけで、換気を⾏っていません。エアコンをONにしたから⼤丈夫という訳ではありません。エアコンだけの部屋では窓開け換気や設置されている場合には換気システムの運転を⾏うことが推奨されます。
8. 空気清浄機に関しては、⼀般的な空気清浄機では、通過する空気量が換気量に⽐較して少ない ことから部屋全体に対して新型コロナウイルス対策に充分効果があるかどうかは不明です。利⽤ する際には⼈の近くに設置することなどが必要となります。欧州暖房換気空調協会(Federation of European Heating, Ventilation and Air-conditioning Associations, RHEVA)が公表しているガイ ドライン[10]では、空気清浄機にも幅があり、それだけに頼るのではなく通常の換気を⾏うこと が推奨されます。
9. やはり窓を開けるなど通常の「換気」を推奨しています。
でも、十分な換気をするには長時間窓をあける必要があるし、花粉なども気になります。
お部屋に吸気用の換気扇が付いていれば最適ですが、かと言って今から新しく換気扇を付けることはできない…